6月議会 一般質問 ④子どもの食支援

新型コロナウイルスによる学校休業期間中には2か月という長期の中で子どもたちの食に関する懸念がありました。

報道等でもあるように、学校給食を必要としている子どもたちや家庭があったということは本市でも例外ということではないと考えています。

また、夏季休業期間中の授業日設定においては、その際の給食実施について子どもたちの食を中心に考えた際に本市の判断に対して多くの疑念がありまた、保護者の方々からも今回の市教育委員会の方針に関しては「愛がない」「内容がニーズと離れていないか?」「市教委に意見を出したが返ってきた回答が的外れだった」など厳しい声を聞いています。

今回の子どもの食に関することについて以下7点について質問します。

 

 

・学校休業期間中の子どもの食に関して市としての課題をどうとらえているのか?

答弁)教育委員会としましては、休業中の子供たちの食事が偏らないようにする手だてが必要と考え、食育上の観点からバランスのとれた食事の例として、学校給食のレシピを家庭用にアレンジしホームページ上に公開しました。

長期の休業が続く中、ご家庭で調理をしていただくことを想定しています。

今後はレシピの公開だけではなく、教育委員会として何ができるのか、に研究を進めていきます。

 

・今後長期の学校休業があるような場合にはどのような工夫で食事支援を考えるのか?

答弁)このたびの休業中の給食提供については、様々なお声をいただきましたが、克服できない課題が多くあり、実施することができませんでした。

感染に伴う休業の状況にもよりますが、物的な食事支援という側面において、学校給食が担う役割について研究してまいります。

 

・長期休業中、市内では地域の中で子ども食堂などが食事支援の必要な家庭を独自で対象者を探し、奔走していました。今後また同じようなことがあった場合に備えて、国の第2次補正予算の中にある支援対象児童見守り強化事業を活用し子どもたちの食の支援を強化するべきだが、市の考えは?

答弁)国の支援対象児童等見守り強化事業は、子ども食堂や子どもに対する食事の配達等の支援を行っている民間団体等が要保護児童対策地域協議会(以下、「要対協」と言います)の支援対象児童等として登録されている子ども等の居宅を訪問するなどし、状況の把握や学習・生活指導等を通じた子どもの見守り体制の強化のための経費を補助の対象とするものです。

当該補助制度を活用するには、要対協で把握しております極めてデリケートな子供・家庭の情報を要対協の構成機関以外に提供することになるため、要対協の構成機関以外の団体に居宅訪問による状況確認や食事の宅配などの支援を依頼するのは困難と考えております。

 なお、要対協で把握している子供・家庭に対しましては、従前より、家庭児童相談員を中心に適切な支援を行っているところですが、引き続き、児童虐待の早期発見・早期対応など、関係機関と連携して子供を見守る体制の強化に努めてまいります。

 

 

・夏季休業期間中の給食に関して小学生は簡易給食の選択制、中学校は給食なしという方針となっている。なぜ、中学校では簡易給食でさえも実施できないのか?

答弁)小学校のみで実施する理由につきましては、小中学生の発達段階や放課後の過ごし方等を考慮して決めました。

発達段階で言えば、小学生、特に低学年の児童においては、自身で昼食の準備や購入をすることが困難です。

また、放課後の過ごし方については、小学生の一斉下校に対して、中学生はほとんどの生徒が部活動に参加します。

活動にあたっては、暑さや、活動場所が密になることを避けるため、放課後すぐに活動する部もあれば、再登校して活動する部も想定されるため、決まった時間に喫食する簡易給食は実情に合わないと判断しました。

 

・他市と本市を比べた際に給食ができる、できないというこの差は何で今後この課題をどのようにクリアにしていくのか?(食材調達も含む)

答弁)他市とは、調理室の設備面、食材の調達や調理方法など様々な点で違いがあります。

本市としましては、少なくとも調理環境を整えるため、空調の整備を年次的に進めておりますが、

その他、今回給食を実施した他市の状況を参考に研究してまいります。

 

・簡易給食では小麦や乳製品のアレルギーの子どもは最初から排除されているように感じます。このアレルギーを持つ子どもへの対応はどのように考えたか?

答弁)簡易給食の実施においても、普段の給食と同様に、除去や代替え食での対応といたします。

 

・通常の自校炊飯の際には炊き込みご飯などをして使える釜の数と子どもの栄養に配慮しつつ調理をされていると思います。普段の調理の経験を活かして、簡易給食に関しても給食の品数を減らしたことでできる自校炊飯により、ご飯と具沢山のお味噌汁の献立もできたのではないかと考えます。7月は難しくても、8月の後半からの給食について再度このようなことを検討することはできないか?

答弁)調理室では、夏季休業中でないと出来ない工事や備品・食器の入替えがあります。備品は年次的に更新を行い後に回すことは、故障・事故につながり、安定した学校給食の運営に支障をきたします。

この時期に、工事や備品の入れ替えを行う小学校は、全体の45パーセント以上あり、その多くは8月中旬から末にかけて予定されています。

これらのことからも、調理をともなう給食の提供については困難と判断しました。

・再質問

春休みに前もって工事などを済ませていた自治体もあり、夏の給食実施に向けて準備を進めていたところもあった。また、夏季休業中の簡易給食に関しては、給食調理室を稼働させないということが前提になっている。それならば、7月20日以降の簡易給食実施から8月17日からの学校再開までの期間において、前倒しで必要な工事や備品の入れ替えなどをし、8月からの給食実施に備えることができないのか?

答弁)通常であれば教育活動が落ち着く8月に備品の入れ替えや、工事をしている、今後は他市の事例も含めて研究する。

 

 

学校の給食に関しては、この日3人の議員から同趣旨として質疑が相次ぎました。

できない理由に対して、様々な提案がされましたが

それでもどうしてもできないとする教育委員会

「なぜ?」

という言葉だけが残ります。

今後さらにこのことに対しては、少しでも前倒しですすめることができるよう

提言していきたいと思います。