一般質問その3 子育て支援のうちヘルパー派遣について

このヘルパー派遣事業は、11月10日号の市政ニュースにも掲載されていたのですが、出産直後の家事と育児をお手伝いという見出しの通り、産後の回復期などで支援が必要な家庭に西宮市社会福祉事業団のヘルパーを派遣し、産前産後の支援をしていくものです。
ヘルパー派遣事業はアウエイ育児(慣れ親しんだ土地から離れたところで子育てをすること)をしている家庭やいつ起こるかわからない産後うつなど、不安定な時期の子育てをしている母親への支援として有効な策の一つと考えています。ですが、利用されている方々からは、ヘルパー派遣事業を利用するまでの仕組みやヘルパー派遣が始まるまでの手続きが煩雑であったり、利用期間が短い、ヘルパーさんとのコミュニケーションが取りづらいなどの利用された方からの声をいただいており、改善できる部分があると考え、今回は質問をしました。
1点目、ヘルパー派遣が利用できるようにするための聞き取り内容のチェックや判断基準はどのようなものなのか?

 答弁)この事業は母体の回復期に親族などの支援が期待できないご家庭に対する支援であることから親族等支援者の有無については特に詳細を聞き取りしている。各家庭の状況は様々なので、統一的な判断基準は設けず支援者の有無や家庭の状況から個別に判断している。


2点目、利用期間や利用方法、利用までの流れや事業内容など行政が委託している事業所と利用している家庭へ共通理解できるよう今よりもさらにわかりやすいものにするべきではないか?

 答弁)申請後職員同行のもと派遣されるヘルパーがご家庭を訪問しどのような支援を行うかの打ち合わせをおこない共通理解を深めている。なお、事業の内容やヘルパー派遣までの流れについては市のホームページや子育てガイドに記載しているが、より分かりやすい内容とするため、今後検討を進めていく。

3点目、西宮市育児支援家庭訪問事業実施要項の第3条では、支援の対象を示しているが、出産後間もない時期(概ね1年程度)の養育者が、育児ストレス、産後うつ状態、育児ノイローゼ等の問題によって、子育てに対して強い不安や孤立感等を抱える家庭とあります。
産後うつに関しては、就学前まで続くこと、また産後うつの予防がまずは重要であり、この概ね1年程度とするという現状では利用期間が短く、また、市政ニュースには利用期間に関して原則子どもが生まれてから6週間以内と記載されており、利用期間とあわせて、利用回数の上限を上げるべきではないでしょうか?

 答弁)産後うつへの対応などの支援については、回数は増やせないが出産後概ね1年程度利用が可能です。他市においては、本市よりも長い期間、あるいは多くの回数が利用できる制度を設けているところもあるので、それらの例も参考に、本市の制度のあり方を研究していく。


4点目、妊産婦の状況は各家庭様々なことから、各家庭の選択肢を広げるという意味で現在委託先が1か所のみとなっている現状から、妊産婦の状況を理解、精通している民間団体にも入っていただき複数事業者より選択できる環境を整えることでミスマッチが軽減できるのでは?と考える。このヘルパー派遣事業を複数の民間団体にも委託することを考えてはどうでしょうか?

 答弁)ヘルパー派遣事業を市が委託している団体からは介護職員初任研修過程以上修了者をヘルパーとして派遣している。ヘルパーの有資格者を派遣することで、より効果的な家事支援が行えていると考えている。委託事業者を拡大することについては、これらの資格要件をどうするかなどもあわせて考える必要があるので今後の利用状況等も見ながら検討していく。

産後ヘルパーに関しては、西宮市育児家庭訪問支援については対象者は産後の産婦さんだけでなく養育に困難を抱える家庭が対象になっています。この事業の根拠法は子ども子育て支援法になることから教育・保育施設を利用する子どもの家庭だけでなく、在宅の子育て家庭を含むすべての家庭及び子どもを対象とする事業として、市町村が地域の実情に応じて実施していくこととしています。特に、この育児家庭訪問事業は各自治体によって方法は様々で、西宮市としてどのように各家庭への支援を進めて行くのか?という考え方により中身もかわってくるものと思っています。産後うつに関しては母子保健の考え方で保健所が中心になって考えておられ、この12月からスタートした産後ケア事業は4か月までの産婦さんへのケアをその後は4か月健診、10か月健診などでの検診後のフォローなどになっています。もちろんこの事業も非常に重要ですし、今後助産師さんの訪問の拡充は進めていただきたいと思っていますが、産後うつの防止の観点からいくと保健所の実施する事業と子ども家庭支援課の所管の育児家庭訪問支援、産後ヘルパーは両輪としてしっかり子育ての入り口の支援という観点から充実してほしいと考えています。
利用のための判断基準はなく慎重な判断のもとヘルパー派遣の決定をしているということでしたが、この判断基準となる最初の相談の際に本当に支援してくれる人がいないのか?ヘルパーを派遣するべき状況の家庭なのかということを産前の妊婦に対して根掘り葉掘り聞かれるとのことです。子どもを安心して産みその後も安定した環境の中で育てたいと思う方からの申請に対してのチェックが非常に厳しいと感じておられる方々がいらっしゃいます。
利用方法に関して今後よりわかりやすいものを検討をしてくださるということ、支援ブックのようなどんな支援があるのかを一目でわかるようなものがあれば、支援を必要としている家庭にも少しでも届きやすくなるかと思いますので検討をお願いします。
また、そもそもこの事業が産後の母体の回復期とうつ状態になった人と分けて考えていることにより、記載の仕方が違ってくることから、今回の市政ニュースの利用期間と子育てガイドの利用期間が違っているところなど、すでにこの制度のわかりにくさを象徴しているように思います。これも、産後うつの予防の観点がないことからによるものではないかと考えます。利用期間、利用回数に関しても同様のことが言えるのではないでしょうか?
自治体では、ホームスタートという事業を実施し訪問型の家庭への支援を始めているところもあります。傾聴と協働での家事をすることで、その家庭に寄り添った支援ができるとのことです。そのようなことも今後ぜひ検討いただければと思います。