12月議会を終えて

1年に4回ある本会議は毎度毎度、気が重く責任も重い大きな節目になります。

1つ1つの議案に対して、簡単に賛否は決められず自分の中の考え方市民への影響などを想像しながらこの一つが変わることで市への影響はどんなものなのか突きつけられます。

今回は定数条例の改正について質疑をしました。

提案理由は職員のワークライフバランスの推進及び育児休業を取得しやすい職場環境の整備に対応することに伴い、所要の規定の整備を行うためとあります。
西宮市では女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法により育児休業等を取得しやすい環境整備や男性の子育て目的の休暇等の取得促進など、また、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備のために地方公共団体として西宮市も特定事業主行動計画の策定が義務付けられています。
そのことを踏まえ本条例の趣旨となっているワークライフバランスの推進及び育児休業を取得しやすい職場環境の整備の前提となる特定事業主行動計画の内容について質問します。
1つ目、市の計画では「育児休業取得率の割合の向上のために具体的な取り組みとして、職員が円滑に育児休業等を取得できるように、業務分担の見直しや臨時的任用職員の活用などにより職場環境の整備に努める」とあります。このような内容はどこの自治体でも計画に盛り込まれてはいるものの、それだけでなく、今回条例改正により正規職員の配置が可能になることも、次のステップとして計画の中で段階を経て取り組んでいくことを明記している自治体が近隣市にもありました。西宮市では今回の条例改正では育児休業に伴う欠員については代替えとして正規職員の配置が可能となりますが、そもそも計画になかった方針はいつ、どのようにして方針転換されたのでしょうか?また、計画推進委員会では計画の取組状況を把握、点検し、必要に応じ計画の見直し等を行うこととしており、この条例改正に関してもこの委員会で議論はされていたのでしょうか?またその際には、職員への意見聴取などどのようにおこなったのか?
2つ目、今回の条例改正については保育士や保健師など行政サービスが拡大していることを理由にもされていますが、育休を取得するのは庁内全体の職員が対象となります。西宮市特定事業主行動計画には育児休暇から復帰した職員への支援について、メンター制度の導入やロールモデルとなる人の計画的な育成やキャリア形成支援については触れられておりません。ワークライフバランスの推進と育休取得後の職員への支援策もさらに具体的に計画に盛り込む必要があると考えます。市の見解を伺いました。

今回、常任委員会でも男女共同参画というテーマで研究していたこともあり、ワークライフバランスの推進は重要なものだと感じていました。行政が先頭に立って進めていくことができれば、市内事業者にも何かしらの影響を及ぼすことができるのでは?とも考えました。当初、説明を聞いても育休を取得した後の職場復帰後の支援策などは具体的になく、女性職員、特に保育士と保健師の職員の育休取得した現場が疲弊しているということが大きく取り上げられており、目の前の課題にとりあえず取り組んでいるだけでそのあとのことは何も考えていないのでは?また、特定事業主行動計画も他市のものと比べると理念的な部分が多く具体的な取り組みが非常に薄く、今回の条例改正が本当の意味でのワークライフバランスの推進に寄与するのかどうか、懐疑的でした。上の2つの質問をしたことで、結局この計画が機能していないこと、方針転換に至った議事録などもなく都度点検、把握、見直しをしているはずの計画の透明性もないことなどもわかり、制度があっても環境は本当の意味で整わないと考えました。ただ、制度もなければ本当に何もない状況になることは避けたく、質疑の答弁は納得いくものではなかったものの議案には賛成することにしました。

ギリギリまで、賛否に悩んだ今回の議会。ただ、自分の中で簡単に賛成するのではなく背景をもう少しよく見ることができたのは良かったのかな?と思っています。

今、担当している委員会では環境や人権や産業振興、農業振興などなどの計画改定のオンパレードです。この計画があるからこそ、西宮市の中での指針になっていることがあると思うので、一度作った計画はやはりそのことが根拠となるようしっかり取り組んでほしいと思います。

4年目の議会、年が明ければ今期最後の議会が待っています。しっかり取り組んでいきたいなと今年最後に考えます。皆様、良いお年をお迎えください。