今回は、援農している方々や新規就農のために努力している方からのご意見をお聴きし一般質問をさせていただきました。
西宮市の農地は西宮市にとって非常に重要な資源のひとつと考えています。
災害対策や食料自給率確保、環境保全、様々な視点からこの農地の保全は将来世代に渡って守る必要があるものですが農家を継続できるという割合は年々減少し、比較して新規就農はこの1,2年でようやく2人、これも数年前までは新規就農者自体0人ということが続いていました。
西宮市の北部を中心に遊休農地や就農に苦慮している土地を新規就農者や援農をしようと考えている人たちに対して市が積極的にサポートする形で関わり次につながるようにと考えています。
歴史がある農地ということで地域との継ぎ目役になり円滑に農地を保全できるよう西宮市には努力してほしいという願いがあり以下の質問をしました。
〇西宮市の農業について
・遊休農地の適正管理と後継者不足などへの働きかけについて
農林水産省では地域計画や農地等の利用の最適化の推進に関する指針の策定を求められ西宮市でも地域計画や指針の策定がもとめられている。その策定にあたって西宮市の現状をどのように分析し、計画等の策定の中で見えた課題や後継者不足等を補うための方策を西宮市としてどのように解決していこうとされているのかお答えください。また、遊休農地の最適化や管理については、援農などで農地に関わっている方や就農を考えている人などと現在農業をされている農家や農地を持っている方との関係性を構築できるように市としてもサポートする必要があると考えます。その中では農業委員との連携もさらに必要になると思いますが今後、地元の農業委員会と農地を保全するために尽力している援農者や今後農業をやりたいと思う人たちとを繋げる役目として市としてどのような役割を果たしていかれるのかおこたえください。
(市の答弁)
地域計画は、農地の担い手が将来にわたり減少していくことが見込まれる中、農業者、農地所有者、地域住民が一体となって地域農地の課題について話し合い、将来の農地利用の姿を明確化し、その実現を目指すものでございます。
本市の地域計画の作成対象農地は、市街化調整区域であり、その担い手となる農業従事者が少なく、また地域の中でも様々な意見があり、話し合い自体が難しい状況にあることなどから、現在のところ、地域計画の作成には至っておりません。
このように、本市においても、農業の後継者不足、担い手の育成が課題でございます。その課題への取り組みですが、職業として、一定の収入が得られなければ農業が選択されないため、収益を得るために必須であるビニールハウスの設置や建て替えに対する補助事業などを実施しており、一定の成果が挙がっているものと考えております。今後も、引き続き、他市の事例を参考に、有効な施策を研究してまいります。
(質問②)
遊休農地の最適化や管理に向けて、今後、市として地元農業委員、援農者、今後農業をやりたいと思う人たちを繋げる役目として市としてどのような役割を果たすのか?
(市の答弁)
農業委員の役割の一つとしまして、遊休農地の発生防止・解消を目的とした、農地の利用状況調査がございます。本調査は、毎年実施しており、遊休農地を発見した場合は、農地所有者に対し、農地の適正管理に向けた指導や、今後の利用意向を調査するなど、農地が有効に利用されるよう市と連携した取り組みを行っております。
援農者及び今後、農業をやりたいと思う方との関わりについてですが、農地を耕作する権利があるのは、所有者、もしくは、借受人でございますが、相談がございましたら、地元農業委員、その地域の農家の代表、市が連携し、協議・対応してまいります。
・新規就農支援について
西宮市で新規就農を考えている方やすでに新規就農された方が継続して西宮市で農業をしていただくために広報や相談窓口が必要と考えています。
新規就農者への農地バンクなど他の機関でのマッチングだけでなく直接市が窓口になり農地を借りたい人と農地の継続に苦慮している人を繋げるようにすることや新規就農者へのその後のフォローアップ体制も整えることも必要だと考えますが市の考えをお聞かせください。また、就農にあたって必要な基準が西宮市では厳しいという声や明確でないというような声を聞いていますがその部分に関する市の認識はどのようなものでしょうか?お答えください。
(市の答弁)
農地を借りたい人からの問い合わせにつきましては、これまで、本市だけではなく、阪神管内の農地に関する情報を持つJAを案内いたしておりましたが、今後は、先ほど申し上げました農地所有者に対する利用意向調査におきまして、賃貸を希望される農地がございましたら、その情報提供も行ってまいります。
また、営農する上でのご相談等につきましては、技術的な相談は、兵庫県の専門部署のご紹介を、各種補助金や申請手続きに関することは、地域の農家の代表を通じ、市からご案内させていただいております。今後も引き続き、丁寧な対応を行ってまいります。
農地法では、就農する場合、農地を適正に管理する責務が発生するため、農地の取得等を希望される方が、効率的に農地を利用して耕作の事業を行えるかどうか、農業委員会において審議を行うことと、定められております。
その審議の項目ですが、農業用機械の所有等の有無、労働力、農業を行う上で必要な水路等共有施設の管理、清掃活動に協力的であるかのほか、耕作技術の有無などがあります。
また、新規就農者の場合には、基本的に耕作技術がないため、農業経験を1年間、概ね150日程度積んでいるかが、審議する上での目安となっております。
農業は、一定水準の農業技術の取得が必要であり、また、畦や水路などは、他の就農者と共同で利用することとなります。就農後の近隣とのトラブルを避けるためにも、一定の基準の元、審議することは必要と考えておりますが、今後、他市の基準も研究してまいります。
【質問と答弁を受けて】
以前までは農地のマッチングに対して消極的であった西宮市でしたが、今回の質問を経て市も窓口になり関わることを示していただいたのは一歩前進したと思っています。
ただ、地域計画など来年の春までに策定しなければならないものが課題があり策定に至っていないことなど、将来的な西宮市の農地に対する考えが市として政策判断できない状況であるということもわかり、まだまだ市の関与が不足していると感じています。
引き続き西宮市の農地や農業に関してしっかりと政策提言していきたいと思います。