運転業務と市の責任 3月議会の質問から①西部総合処理センター焼却施設整備事業について

3月議会の一般質問は26分という短い時間の中で3問質問しました。

 

今議会で質問し検討してもらう必要がある案件ばかりで

どうしても外すことができず

質問もとても早足での質問となってしまいました。

 

時間があれば丁寧に説明できたところもあったので

今回はコチラを活用してさらに

質問資料だけでない資料なども知っていただきながら

内容を皆さんに知っていただきたいと思います。

 

近々インターネットでのアーカイブ視聴もできると思いますので

是非そちらのライブ感も見ていただければと思います。

 

smart.discussvision.net

 

〇西部総合処理センター焼却施設整備事業について

西部総合処理センター焼却施設整備事業について新年度予算では525万8千円の予算計上で仕様書の発注者支援業務をコンサルタント会社に委託する予定になっています。

仕様書に影響する内容に関して今一度確認しておきたいことがあるので質問しました。

 

ア、施設規模のうち炉の構成について  

施設規模に関しては今後製品プラの回収などが始まるとごみ量の変動があり将来的なゴミ量が定まっていないという中でごみ処理施設整備を進めていくことになっています。施設規模の設定は事業費に大きく関わることになるので慎重になるべき部分かと考えています。

中でも現在多くの議員から指摘されている財政危機の中で焼却施設の炉の構成を3炉か2炉かというようなことに関して経済性の詳細な比較検討がなされていたのかということまた、検討段階での情報公開はなされているのか?について確認しました。

 

イ、概算事業費のうち売電インセンティブについて

資料の①に概算事業費を掲載しています。

f:id:isshikifuko:20240308001126j:image

 

 

運営維持管理費が263億円となっていますがその内16億円が事業者に支払われる売電に関するインセンティブの費用とされています。

西宮市のアウトソーシング指針によれば…

民間委託する際の基準として

①市民サービスの向上

②効率化

③経費の節減

④民間の専門的な知識・技術の活用とあります。

また留意事項の2には…

仕様書等においては、達成すべきサービス水準を可能な限り具体的に明記し、サービス水準の確保、向上に努めること。

とありますが、発電効率を上げるということはこの仕様書の中に今まで蓄積しているノウハウと共に仕様書の作成のための支援業務を担う事業者にそれだけのノウハウを持って仕様書に書きこめるよう支援してもらうことになるはずです。

そのことを考えればインセンティブを与えなくともより発電効率が上がる仕様書を作成してもらえるはずだと考えます。

そういった意味で事業費から売電インセンティブという一般財源にあたる部分に関しては削除し事業費の削減を目指すべき、市はどう考えるか?

       

ウ、事業方式としてのハイブリッド型直営方式について

資料①に事業方式を掲載しています。

現在西宮市の考えるハイブリット型直営方式では日常の運転業務に関しては民間に委託する考えです。

ハイブリットとしていますが今回の事業はDBO、すなわち公設民営の事業になるということです。

日常の運転業務から手を放してしまうということはモニタリングの精度が担保できないのではないかと考えます。

資料②のアウトソーシング推進指針の6には…

更新等 行政内部で蓄積してきた知識、技術のノウハウ等は、常に維持、継承、更新を行うとともに、市の管理監督、指導等の能力を向上させるよう、人材の育成にも努めること。とあります。

民間に委託しても能力向上を続けるためには日々の運転業務に関わることが重要ではないでしょうか?例えば炉の運転業務を分割して運転することでモニタリングに関しても専門性を持ちながら市の責任を果たすことができ、過剰な施設の更新などに費用をかけないようチェックする機能なども後世に渡って技術継承することができると考えます。本来の意味でのハイブリット型を考える中で炉の運転を直営で継続できるような仕組みにするべきと考えるがどうか?

 

【西宮市の考え】

 

「施設規模のうち炉の構成について」

令和3年度に作成した「西部総合処理センター焼却施設整備基本構想(以下基本構想と申します)」において、2炉及び3炉構成に係る処理の安定性、焼却炉停止時の対応、経済性などの比較を行いました。

 

西部総合処理センター焼却施設整備基本構想↓

https://www.nishi.or.jp/kurashi/gomi/shisetsu/seibushoukyakusisetu.files/kihonnkousoukakuteir1.pdf

 

建設費及び維持管理費においては2炉構成の方が安価であるものの、新焼却施設は、東部・西部の両総合処理センターの集約に伴う本市唯一のものとなることから、ごみ処理の安定性や将来的な大規模改修の対応性を重視し、一定余裕のあるごみピット管理が必要であり、炉の点検・整備を行うための炉停止期間を十分確保できる3炉構成が最適であると判断したものです。

なお、こうした詳細な検討内容は公表しておりませんが、基本構想につきましては、令和3年11月の民生常任委員会での所管事務報告ののち、令和4年6月から7月にかけてパブリックコメントを実施し、広く市民に情報公開したところです。

 

次に、「概算事業費のうち売電インセンティブについて」ですが、

本事業は性能発注、総合評価方式にて発電効率向上や省エネなどに寄与する施設整備や

運営のノウハウを最大限に活かす技術提案を受け、事業者選定を行います。

売電インセンティブはこの技術提案をもとに、日々変動する必要ごみ焼却量を遵守しながら、その焼却量に応じた発電量並びに売電収入が最大化する様に運転操業を工夫させるための仕組みです。

この売電インセンティブによる事業者努力に伴い、市の売電収入が増えるメリットが期待できます。

なお、売電インセンティブの費用は、現施設の実績を参考に試算したものですが、同仕組みを含めた最適なルール作りにつきましては、議員ご指摘のとおり、本市の財政面も考慮し、令和6年度からの発注者支援業務のなかで引続き検討してまいります。

 

最後に、「ハイブリッド型直営方式について」ですが、

基本構想では、新焼却施設は3基の焼却炉と蒸気タービン発電設備をはじめとする共通設備で構成された一体プラントであり、各焼却炉の運転状況が共通設備の運転操作にも影響し、プラント全体の運転バランスや機器の損耗にも影響を与えます。

こうしたことから炉の運転を市、事業者でそれぞれ分割して操業することは、効率化の観点からも困難です。

また、これまで経験に頼る部分が多かった炉の運転は、今後AI技術による自動化や運転支援、遠隔監視が導入され、自動運転が進むことで、人による技能・技術の継承の必要性が低下することが予想されますが、現場巡視や運転監視、また事業者への指導や業務報告会といったモニタリング業務に加え、ごみの受入を直営で行うことにより運転維持管理の技能・技術を維持していくことができ、廃棄物処理に係る統括的責任も果せるものと考えております。

 

以上が市の見解です。

 

それを受けての私からの意見は…

炉の構成に関しては環境省が出している全国の焼却施設整備状況資料を見ても、

www.env.go.jp

自治体規模や財政状況の違いなどでこれという正解というのは確かに難しいと思う部分でもあります。

ただ、明石市の炉の構成に関する経済性の比較に関する資料や尼崎にもある専門委員会を立ち上げて議論しているというところは大型事業ということもあり慎重に議論し市民に広く検討資料を公表することは習ってもよいことだと思います。

明石市新ごみ処理施設整備計画↓

https://www.city.akashi.lg.jp/kankyou/shigen_junkan_ka/sinnro/documents/singomikihonkeikaku.pdf

 

また、市民に情報公開されたとする基本構想のパブコメは東部のごみ処理施設と西部のごみ処理施設の集約化か単独整備か?ということに重きを置いていて、基本計画案には詳細な検討資料は掲載されていません。また、ハイブリット型という名前の民間委託に関しても今回初めて出てきた運営方法(それまでは直営での運転も視野にいれていた)ものなのでこのことを評価できる例えば、現在の東部の民間委託と西部の直営での運転業務に関する詳細な比較評価なども公表されるべき内容かと考えています。

インセンティブについてはDBOという民間に運営してもらうという中で生まれてくる発想です。直営ではインセンティブはなくとも効率性の良い運転を求めていくことになります。基本計画案の内容は基本構想同様にパブコメを取っても良いような内容でもあるとも思っています。

今後1施設となる焼却施設を民間委託していくということは本来はここでも市民に意見を聴くべき案件かとも考えますし、何百億という大型の事業費がかかるからこそ丁寧に進めることで事業費の縮減費も大きく変動する可能性があります。

インセンティブを付加するということ、市長としては積極的にこの部分は考え方を整理する必要があるのではないか?今回に限ったことではなく西宮市自体にそのような傾向はないか?という疑義も残っています。

 

実は質問時間の都合で再質問はできないかと思っていたのですが、ここまでの私からの意見を受けて、市長が答弁したいというジェスチャーがあったので、30秒だけ時間を譲って、インセンティブに関して市長の考えを述べてもらいました。

 

ごみ処理設に関しては、芦屋市との広域化の話からようやく方向性が決まりつつあります。ごみに関してはその当時からごみ学というごみにまつわる勉強会に参加させてもらい今回の質問も関わってくださっている先生や他の自治他の議員の皆さんと一緒に勉強してここまでの質問ができました。

 

事業者との契約までにはまだ時間があるのでぎりぎりまで、できる限りのことをしたいと思っています。

 

 

 

 

子どもの権利と教育の関係

新教育長の候補者となる方が昨日教育に対する考えを披歴されました。

 

そのことに対して数名の議員が質疑に立ち、私の方からも「子どもの権利」をテーマに候補者の考えを質問させていただきました。

 

1点目 候補者の考える教育の目的の中には子どもの権利が守られる学校、教育の場であるべきだという認識がありそのことを推進するべき立場であると考えているのか?

 

2点目 子どもたちとの信頼関係と共感を持つことができる学校として充実するために必要なことはどのようなことか、そのために教育委員会がやるべきことは何か?

 

3点目 こどもを含めた市民との対話の機会をもっていただけるのか?

 

【候補者の答弁】※音声を聞き取り要約しています

子ども自身も権利の主体である

すでに社会の一員である

子どもの権利が守られる学校というものをもちろん目指していきたい

 

子どもの発達は当然ひとりひとり異なる

教育においてはその子その子に合ったチャレンジすべきことに挑戦させて少し背伸びすれば頑張れるようなことを達成できた時に子どもたちというのは成長する

当然その子その子でどういうものかというのは異なるものであると思っている

その中で人と人との信頼関係や協働についてはお互いに相手の考えていることを丁寧に聞き取り一緒になって考えていくという姿勢が大切である

子どもについても権利の主体であるので発達段階に応じて意見を表明することで自分の考えを適切にあらわし、それを先生、学校が真摯に受け止めて一緒になって考えていくという姿勢が大切

ぜひ当事者となる子どもたちをはじめ市民の方々との様々な対話というのは進めたい

 

以上が新教育長候補からお聞きできた内容になります。

議会最終日に教育長の任命に件に関して採決があります。

インターネット配信やさくらFM、傍聴などでお聞きいただければと思います。

 

 

総合教育会議が開催されました

総合教育会議が開かれました。

 

総合教育会議とは…

 教育改革の名のもとに教育委員会に対して首長が公式に意見を言えるようになってしまったものです。私としては、教育に対して政治的な介入があるのではないか?と思ってしまう所ではありますが…制度としてスタートしてしまっている以上、しっかりとこの会議体についても見ていかなければならないと思っています。(いまの所この制度が始まって以来西宮市では心配になるような内容はないのですが…)

 

教育改革について↓

https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/02/04/1349283_04.pdf

 

その総合教育会議が開催されました。

議題は「アフターコロナの学校生活について」

 

今、取り残された課題の認識について各委員、次長、教育長、政策局長、副市長がそれぞれ思っていることをお話されていました。

 

子ども同士の距離感が遠くなっている

人間関係作り、信頼関係作りが必要

このコロナ禍の中で教師も入れ替わり従来の行事の踏襲ができなくなっている、そもそも何のための行事なのか?こどもにプラスになるように考えたい

コロナ禍の中でタブレット、ICTの導入が早まった、現在では生成AIの課題についても考えなければならなくなっている、進化についていけていない

教師の数不足とAIとのギャップをどうするか?

中学校卒業式の入試後の見直しについて神戸新聞のアンケートでは6割の保護者が求めている

オンラインに適したものとそうでないものが明確になってきている

行事、部活動、多面的な学びの場がコロナで重要性を再認識した

オトナの質(授業、子ども観、教材観)学びの振り返りの時間が取れるように

マスク着用によるコミュニケーションの力が失われている、こどもは表情を読み取ってコミュニケーション能力を上げていくがそのことができなかった影響を受けたこどもが学校に上がっていくので対応が必要

指導体制の課題、グループを1人の先生が全責任を負っていくのはハードだ、学級担任制には無理があるのではないか?チーム担任制を積極的に考えてほしい

それぞれ適切な関わり、協働でこどもの育ちを見ていく(社会化…)

行事は何のためなのか?学年を超えた繋がり作りができる場であった(分散させるのはオトナにとっては楽だったのかもしれないが)

卒業式も高校入試の後に象徴的行事として捉えて

ICTの普及は資力低下のことが気になる

殺人的な暑さの中での自販機の設置導入を考えていただきたい

コロナ禍の中で良かったものは継続的に発展を

コミュニケーションの課題は高学年になればなるほど、マスクを外す働きかけを

ICT使える割合を増やしてほしい、行政としても生成AIについては悩んでいる、一律に禁止はできない、どのように使っていくのか考えていかなければ

情報発信の重要性、ばらつきが出ないように

ICTの使える人使えない人の2極化についてフォローをしていく必要がある

 

などのご意見が出ていました。

コミュニケーションの問題や学級経営の課題など多様な意見があり、このことをこれからどのように解決していくのか非常に興味深いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教科書採択

教育委員会会議臨時会が開かれていました。

内容は教科書採択について。

 

今回は小学校、市立高校2校それぞれ、支援学校の教科書を選びました。

 

選び方は各教育委員さんが自分が薦めたい教科書会社の名前を言って、どういった視点で教科書を選んだのか発表、そして一番多くの評価を得た教科書会社の教科書を採択していくという流れです。

各委員がそれぞれ大事にしたいと思っていることが、よくわかり、また、選ばれた教科書がこれから子どもたちの手元に届くのだな…ということを想像して聞いています。

以下、小学校図書の選ばれた教科書とその際の委員の意見のまとめです。

 

国語 

 光村図書 

 主体的に学べる工夫がしてある、問いを立てるということが導入に繋がる、自分で考える力を大切にしている。

 

書写

 東京書籍

 毛筆の導入部分がわかりやすい、道具の説明が明確、意欲を高める、硬筆から毛筆への見通しが持てる。

 

社会

 日本文教 

 問いを意識させている、多様な意見や考え方、自分自身で考えて伸ばす、兵庫が教材に使われている、4年前の採択の際には立憲主義について説明があり憲法について書いてあったのになくなっていて残念。(←ご指摘があり、憲法については書いてありますとのことでした。誤情報申し訳ありません)

 

地図

 帝国書院

 西宮市がどちらもページの境目になっていて残念。見やすいものになっている。自然災害から身を守ることなどの記載があって良かった。

 

算数

 啓林館

 スパイラルな考え方ができる、プログラミング課題が設定されている問題ができた達成感からさらに深めていく工夫がされている。自立的に解決身近な課題で数学的に捉えることを楽しめる。

 

理科

 啓林館

 仮説を立てる際に話し合って推論していくようにしている。五感をはたかせることができる。味方と考え方わありやすく「なぜ?」がスタートできる。防災的な観点。

 

生活

 東京書籍

 学習の流れキャラクターが多用してある好奇心を持てるようにしている。幼保からの繋がりの流れがある。自分でやってみたくなる。

 

音楽

 教育出版

 いろんなコンテンツがある。アート志向で考えるよりも感じること。君が代に関しては国家ありきでない地域愛を感じる。

 

図画工作

 日本文教

 図工から美術並行する際にうまくやらなければならないという傾向で好きでなくなるが自分を表現することを育てる。読みやすくわかりやすい。道具の説明がわかりやすい。

 

家庭科

 東京書籍

 実際にやってみたい気持ちになる。キャリア教育に向いている、課題を見つけやすい。ごちゃごちゃしていない方を選んだ。

 

保健

 (不明 聞きそびれた)

 個人差、多様な生き方、性差がわかりやすい。自分自身がどんな課題があるのか?しりゅが充実している。喫煙問題に触れられている。

 

外国語

 三省堂

 発音の確認、ホップステップジャンプで繋がりを持てる。人権、多文化理解が配慮されている。

 

道徳

 光村図書

 議論する道徳、価値の誘導がない人によって違う問いの立て方ができるか?他人の意見を尊重できるか?子どもの権利条約の記載がある。

 

 

立憲主義憲法に関して書いている教科書がないという事実に驚きます。そして、そういった視点を持って選ばれていたことはこの教科書採択の大きな意味があるなと実感します。

それ以外にも、子どもの権利条約についての記載がある教科書を選んでくれていることや子どもたちのことを想像して教科書が選ばれていく、とても大事な部分に関して委員のみなさんの意見を聴くことができ良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

6月議会最終日を迎えました

今定例会では2件について意見を申し述べました。

内容は以下の通りになります。

1点目、補正予算に関しては、質疑をしていたのでそれを受けての意見になっておりますので前回のブログをご参照くださいませ。

 

議案第8号令和5年度西宮市一般会計補正予算第3号について反対の立場で討論いたします。

補正予算には行政経営推進事務経費、内部経費適正化によるコスト削減支援業務に係る経費3千万円と合わせて債務負担行為4億円が計上されています。

この内容に関しましては先日の本会議場で質疑をさせていただきましたが、その後の総務常任委員会での審査では、その部分を除く修正案も出されました。賛成少数のため、修正案は通りませんでしたので今回は本補正予算に関しましては賛成せず、意見を申し上げたいと思います。

新規事業となる支援業務に関して多額の予算が必要になる事業規模にも関わらず所管事務報告もなく実施計画や新年度予算編成過程などでの査定などもされていない中、予算議会後の6月議会で補正予算という形で上程となったこと、今回の事業スケジュールについて、議決前からの関連の動きとしてプロポーザルによる公募の実施また本事業を進めるための検討材料となるサウンディング調査の一連の流れが非常に短い期間の中で進められ、丁寧さを欠いていることなど、総務常任委員会では多くの委員から本事業に関しての手順の悪さについて指摘され、その部分では多くの皆さんと考えを一致できたかと考えています。

また、委員会の中で局長がおっしゃっていたように経常経費について予算の編成の甘さがあったということですが、これは私も今回の新規事業が提案される過程を少し調査する中で内情が見えた部分であったとも思いました。

このことに関してはさらに今後調査を重ねていき、よりわかりやすいオープンな形での実施計画の策定や予算編成過程について新たな提案ができればと思っております。

また、この予算編成やそれに至る決算審査での事務事業評価など本来あるべき姿として機能させ経費削減に向けて、そもそも市として努力できる部分でもあり、市財政のひっ迫と言いながらも3千万円の固定費とさらに成功報酬として上限4億円を民間のコンサルティング会社に支払うことができる余裕がまだこの西宮市にはあるということについても納得のいくものではありません。

また、今後委託業務に関する市民生活への影響に関しては現段階では詳細に把握できていないと答弁がありました。不透明で明確に定まっていない中でコスト削減されていく部分に関しては慎重にならざるを得ないと考えます。公共調達という視点では市としての役割について、現在実施している福祉的な随意契約がありますが、さらに契約業務に関しては女性の就労や就労困難者、生活困窮者等の就労支援政策として市の独自の基準なども整理していただきたいということ、そして、今後財政難として厳しさが見えてくる中だからこそ地域の雇用を守るという観点も持ちながら地域内での経済循環を進めていただくよう要望して反対討論といたします。

 

 

2点目の請願については以下の内容になります。

「国に対し「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」の提出を求める請願」

請願趣旨
ひとたび確定した判決であっても、もし冤罪の恐れがあるならば、人道的観点から、あるいは基本的人権尊重の趣旨から、できる限り刑事司法制度の中で救済の道を開くことが必要です。
とりわけ、冤罪の可能性があるにもかかわらず、取返しのつかない死刑という極刑が確定してしまった場合には、確実にすみやかな再審の道が用意されなければなりません。
長年にわたり、冤罪を指摘されていた袴田事件では、本年3月、東京高等裁判所が再審、裁判のやり直しを認める決定をしました。決定では、有罪の根拠とされた証拠について「捜査機関が隠した可能性が極めて高い」とし〝捏造〟の疑いにまで言及しました。先立つ2014年に静岡地裁が再審開始を決定、袴田巌さんは釈放されました。判決は、国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、これ以上袴田さんの拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する状況にある、とまで指摘しています。
これを不服とした検察が東京高裁に抗告したために再審実現は今日まで9年もの無駄な時間を費やしてしまいました。再審開始への道が開けたのは、検察が特別抗告を断念したからにすぎません。今も〝死刑囚〟の汚名を着せられたままの袴田さんは、死刑執行におびえる長い月日を耐えるために自らの内なる世界を形成しています。
日本の再審制度は、「間違った裁判をやり直してほしい」という再審請求手続きと、実際にそれを受けておこなわれる再審公判手続きという二段階の制度の組み立てになっています。
しかし多くの場合、再審開始決定が出されても、検察がこれを認めず不服申立て(抗告)をして争うという対応をしています。そのため、再審にたどり着くまでに長い年月がかかり、その陰で冤罪に泣いた多くの無実の方々が存在しています。
だから、再審の条件をいたずらに厳格かつ形式的に解し、再審の道を閉ざすことがあってはならないと考えます。無辜の人を決して罰してならないとする再審制度の趣旨をくまず、機械的に再審を拒むとするならば、再審制度の存在意義は失われます。
現在の再審制度は刑事訴訟法「第4編 再審」のみで、極めて大ざっぱな規定です。
無辜の市民の訴えである再審の道をむつかしくしている点は次の2点です。
①捜査段階で集めた証拠が開示されないことです。全ての証拠を隠すことなく弁護団の開示請求に応じ、真実解明に役立てるべきです。②検察官の抗告権です。都合の悪い証拠を隠して置きながら、裁判所が再審開始決定を出しても従わず、即時抗告、特別抗告をおこない、裁判を長期化させ、場合によっては、存命中に再審開始に至ることができない事態にもなり、人道的観点からも許されません。
以上の趣旨をふまえ、国に対して下記の項目の意見書を採択してください。
請願事項
現行の「刑事訴訟法の再審規定」について次の2点に留意した改正を求める意見書を国
に提出すること。
1 再審における検察の手持ち証拠のすべての開示を制度化する。
2 再審開始決定に対する検察の「不服申し立て」の禁止を制度化する。 

 

以上の内容でした。

最終的に賛成少数で不採択となりましたが、以下、一色風子が述べた意見になります。

 

請願第1号国に対し再審法の改正を求める意見書の提出を求める請願について賛成の立場で意見を申し述べます。

他の議員から請願内容に関しては縷々述べていただいたところです。

私自身も身近にこの再審法の不備により長く裁判を経験した当事者、家族、その同僚、その友人たちを子どもながらに身近に接する機会がありました。

50年近く前この西宮市でも甲山事件という事件が起こり、たまたま、その日そこにいたということでひとりの西宮市で働く保育士が犯人として無実で逮捕され裁判にかけられ冤罪にもかかわらず長期の裁判を余儀なくされるということがありました。

犯罪者とされた当事者、弁護団や支援する仲間たちのある意味長い戦いの中で時間ばかりが過ぎていく、一喜一憂する周辺や当事者の姿を見ることがありました。

最終的に20数年という時間を経て無罪を勝ち取ることになりますが、弁護団の主任弁護人からも検察側が持っている証拠全ての開示がなされないことの問題、長期裁判の主原因たる検察官の上訴権に対して、禁止もしくは制限を法制度的に設けるべきである、と具体的な提言を行っておられます。

総務常任委員会の中で委員のおひとりが「刑事裁判が確定した場合、事実、法律問題問わず、その不当を主張してさらに争うことを認めることは裁判の機能を失わせ法的安定性を著しく害するということになります」と意見されておりましたが、法的安定性の下に人権侵害が起こっては本末転倒であり、そのようなことがないように請願者は本請願を提出されたと認識しております。

多くの市民が関わることになった裁判だったと記憶している甲山事件ですが、冤罪という明日は我が身、誰にでも起こりうる状況だということを考えると、社会問題として自分事として認識し、現行の刑事訴訟法の再審規定について市民が請願をとして声を上げていくことは非常に重要だと考えます。

そのような理由から本請願には賛成いたします。

 

6月議会最終日を迎えました

今定例会では2件について意見を申し述べました。

内容は以下の通りになります。

1点目、補正予算に関しては、質疑をしていたのでそれを受けての意見になっておりますので前回のブログをご参照くださいませ。

 

議案第8号令和5年度西宮市一般会計補正予算第3号について反対の立場で討論いたします。

補正予算には行政経営推進事務経費、内部経費適正化によるコスト削減支援業務に係る経費3千万円と合わせて債務負担行為4億円が計上されています。

この内容に関しましては先日の本会議場で質疑をさせていただきましたが、その後の総務常任委員会での審査では、その部分を除く修正案も出されました。賛成少数のため、修正案は通りませんでしたので今回は本補正予算に関しましては賛成せず、意見を申し上げたいと思います。

新規事業となる支援業務に関して多額の予算が必要になる事業規模にも関わらず所管事務報告もなく実施計画や新年度予算編成過程などでの査定などもされていない中、予算議会後の6月議会で補正予算という形で上程となったこと、今回の事業スケジュールについて、議決前からの関連の動きとしてプロポーザルによる公募の実施また本事業を進めるための検討材料となるサウンディング調査の一連の流れが非常に短い期間の中で進められ、丁寧さを欠いていることなど、総務常任委員会では多くの委員から本事業に関しての手順の悪さについて指摘され、その部分では多くの皆さんと考えを一致できたかと考えています。

また、委員会の中で局長がおっしゃっていたように経常経費について予算の編成の甘さがあったということですが、これは私も今回の新規事業が提案される過程を少し調査する中で内情が見えた部分であったとも思いました。

このことに関してはさらに今後調査を重ねていき、よりわかりやすいオープンな形での実施計画の策定や予算編成過程について新たな提案ができればと思っております。

また、この予算編成やそれに至る決算審査での事務事業評価など本来あるべき姿として機能させ経費削減に向けて、そもそも市として努力できる部分でもあり、市財政のひっ迫と言いながらも3千万円の固定費とさらに成功報酬として上限4億円を民間のコンサルティング会社に支払うことができる余裕がまだこの西宮市にはあるということについても納得のいくものではありません。

また、今後委託業務に関する市民生活への影響に関しては現段階では詳細に把握できていないと答弁がありました。不透明で明確に定まっていない中でコスト削減されていく部分に関しては慎重にならざるを得ないと考えます。公共調達という視点では市としての役割について、現在実施している福祉的な随意契約がありますが、さらに契約業務に関しては女性の就労や就労困難者、生活困窮者等の就労支援政策として市の独自の基準なども整理していただきたいということ、そして、今後財政難として厳しさが見えてくる中だからこそ地域の雇用を守るという観点も持ちながら地域内での経済循環を進めていただくよう要望して反対討論といたします。

 

 

2点目の請願については以下の内容になります。

「国に対し「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」の提出を求
める請願」

請願趣旨
ひとたび確定した判決であっても、もし冤罪の恐れがあるならば、人道的観点から、あ
るいは基本的人権尊重の趣旨から、できる限り刑事司法制度の中で救済の道を開くことが必要です。
とりわけ、冤罪の可能性があるにもかかわらず、取返しのつかない死刑という極刑が確
定してしまった場合には、確実にすみやかな再審の道が用意されなければなりません。
長年にわたり、冤罪を指摘されていた袴田事件では、本年3月、東京高等裁判所が再審、裁判のやり直しを認める決定をしました。決定では、有罪の根拠とされた証拠について「捜査機関が隠した可能性が極めて高い」とし〝捏造〟の疑いにまで言及しました。先立つ2014年に静岡地裁が再審開始を決定、袴田巌さんは釈放されました。判決は、国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、これ以上袴田さんの拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する状況にある、とまで指摘しています。
これを不服とした検察が東京高裁に抗告したために再審実現は今日まで9年もの無駄な
時間を費やしてしまいました。再審開始への道が開けたのは、検察が特別抗告を断念したからにすぎません。今も〝死刑囚〟の汚名を着せられたままの袴田さんは、死刑執行におびえる長い月日を耐えるために自らの内なる世界を形成しています。
日本の再審制度は、「間違った裁判をやり直してほしい」という再審請求手続きと、実
際にそれを受けておこなわれる再審公判手続きという二段階の制度の組み立てになっています。
しかし多くの場合、再審開始決定が出されても、検察がこれを認めず不服申立て(抗
告)をして争うという対応をしています。そのため、再審にたどり着くまでに長い年月がかかり、その陰で冤罪に泣いた多くの無実の方々が存在しています。
だから、再審の条件をいたずらに厳格かつ形式的に解し、再審の道を閉ざすことがあっ
てはならないと考えます。無辜の人を決して罰してならないとする再審制度の趣旨をくまず、機械的に再審を拒むとするならば、再審制度の存在意義は失われます。
現在の再審制度は刑事訴訟法「第4編 再審」のみで、極めて大ざっぱな規定です。
無辜の市民の訴えである再審の道をむつかしくしている点は次の2点です。
①捜査段階で集めた証拠が開示されないことです。全ての証拠を隠すことなく弁護団
開示請求に応じ、真実解明に役立てるべきです。②検察官の抗告権です。都合の悪い証拠を隠して置きながら、裁判所が再審開始決定を出しても従わず、即時抗告、特別抗告をおこない、裁判を長期化させ、場合によっては、存命中に再審開始に至ることができない事態にもなり、人道的観点からも許されません。
以上の趣旨をふまえ、国に対して下記の項目の意見書を採択してください。
請願事項
現行の「刑事訴訟法の再審規定」について次の2点に留意した改正を求める意見書を国
に提出すること。
1 再審における検察の手持ち証拠のすべての開示を制度化する。
2 再審開始決定に対する検察の「不服申し立て」の禁止を制度化する。 

 

以上の内容でした。

最終的に賛成少数で不採択となりましたが、以下、一色風子が述べた意見になります。

 

請願第1号国に対し再審法の改正を求める意見書の提出を求める請願について賛成の立場で意見を申し述べます。

他の議員から請願内容に関しては縷々述べていただいたところです。

私自身も身近にこの再審法の不備により長く裁判を経験した当事者、家族、その同僚、その友人たちを子どもながらに身近に接する機会がありました。

50年近く前この西宮市でも甲山事件という事件が起こり、たまたま、その日そこにいたということでひとりの西宮市で働く保育士が犯人として無実で逮捕され裁判にかけられ冤罪にもかかわらず長期の裁判を余儀なくされるということがありました。

犯罪者とされた当事者、弁護団や支援する仲間たちのある意味長い戦いの中で時間ばかりが過ぎていく、一喜一憂する周辺や当事者の姿を見ることがありました。

最終的に20数年という時間を経て無罪を勝ち取ることになりますが、弁護団の主任弁護人からも検察側が持っている証拠全ての開示がなされないことの問題、長期裁判の主原因たる検察官の上訴権に対して、禁止もしくは制限を法制度的に設けるべきである、と具体的な提言を行っておられます。

総務常任委員会の中で委員のおひとりが「刑事裁判が確定した場合、事実、法律問題問わず、その不当を主張してさらに争うことを認めることは裁判の機能を失わせ法的安定性を著しく害するということになります」と意見されておりましたが、法的安定性の下に人権侵害が起こっては本末転倒であり、そのようなことがないように請願者は本請願を提出されたと認識しております。

多くの市民が関わることになった裁判だったと記憶している甲山事件ですが、冤罪という明日は我が身、誰にでも起こりうる状況だということを考えると、社会問題として自分事として認識し、現行の刑事訴訟法の再審規定について市民が請願をとして声を上げていくことは非常に重要だと考えます。

そのような理由から本請願には賛成いたします。

 

補正予算に対する質疑をしました

議案第8号令和5年度西宮市一般会計補正予算(第3号)のうち

政経営推進事務経費

内部経費適正化によるコスト削減支援業務に係る経費3千万円(固定費)

と合わせて成果報酬にあたる上限額4億円の計上について

 

この、経費は経常経費について行政サービスの水準を維持しながら

更なるコスト削減を図るため、内部経費の適正化によるコスト削減を実施するために

必要な支援業務委託費とサウンディング調査に基づいた削減目標額8億円のうち

削減額の50%以内を成果報酬として支払うというものです。

 

今回は、この予算案に関して

補正予算の上程のタイミング

 市の単独事業の上、新年度予算の議会直後に新規事業を上程するということが非常にまれ。その上、前例も少ない方式での業務委託ということに関して検討期間が非常に短く議会軽視ではないかと感じる

〇事業の中身について

 経常経費の主なものは施設管理や清掃、警備、情報システム関連など。その多くを占めるのは人件費にあたる可能性が高い。システム関係に係る賃借料などは以前からブラックボックスとなっており妥当性がわかりづらい分野であったが、市の事業には他にも今回のようなコンサルタントに委託した支援業務が多数あり高額な発注になっているという現状もあった。

以上のような疑義があり4点について質問しました。

 

  • 新規事業となる支援業務に関して多額の予算が必要になる事業規模にも関わらず所管事務報告や実施計画にも上がらず新年度予算編成過程などでの査定などもなく、予算議会直後の本議会での補正予算での上程となったことについての市の見解
  • 今回の事業スケジュールについて、プロポーザルによる公募の実施それに向かうまでのサウンディング調査など非常にタイトになっているが議決前からの関連の動きについて丁寧さを欠いているように感じるが市としての認識はどうか?
  • f:id:isshikifuko:20230627134150j:image
  • 削減目標額8億円に見直し対象となる経費について情報システムなど専門性が高くブラックボックス化しているものについては削減対象として見直しされることは必要と考えるが民間委託となっているもので政策的契約例えば福祉的な優先発注などは省かれると聞いているがそれ以外のものでも市内の公共調達として市民生活に影響があるものについて現段階でどの程度把握できているのか?
  • 対象経費となっている経常経費以外でも今回のような支援業務などのコンサルタント委託費についてもブラックボックスではないかと考える。このことについても妥当かどうか分析やコスト削減を行うことも必要と考えるがどうか?

 

(当局答弁)

 本業務につきましては、行政経営改革の一環として、内部経費の適正化によるコスト削減を図る目的で実施するもので、今年度の施政方針において、「行政経営改革の推進を通じて人員や財源など経営資源の捻出と適正配分を進めていく。」と申し上げたとおり、様々な取り組みを通じて、この目標を達成していくうちの一つとして、実施してまいりたいと考えております。昨年度中には、包括的な取り組み体制の構築が整わず、個別の取り組みについて、今年度当初予算での予算化には至りませんでしたが、本年4月以降、市長・両副市長を中心に協議を重ね、行政経営改革本部の下に、内部事務改革・DX、組織・人事管理等、公共施設マネジメントを推進する組織を設けることにより、全庁的な取り組みを推進していくように体制を強化したところでございます。

これを受けて、「内部事務改革・DX推進部会」を発足させ、具体的な検討を始めるとともに、事業者へのサウンディング等により事前に検討を進めてきた「内部経費適正化によるコスト削減支援業務」について、実施の目途が立ちましたので、今定例会に上程させていただくこととしたものです。補正予算としての提案とはなりましたが機動的かつ速やかな事業の実施によって、成果を得てまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

市内における公共調達の面で市民生活に影響がある経費が、どこまで今回の業務の対象となるかは、現段階では把握できておりません。今後、公募型プロポーザルを経て、選定された事業者と業務を進めていく中で、対象となる経費を協議していくことになりますが、直接的・間接的に市民生活に影響がある経費をどこまで対象とするかについては、慎重な対応が必要になると考えています。

 

今回の「内部経費適正化によるコスト削減支援業務」は、経常経費のみを対象としているため、経常経費以外の経費は対象外となっております。議員ご指摘の委託業務等に係る経費をはじめとして、投入する経営資源とそれによる効果の関係がわかりにくい経費や、コスト削減の可能性がある経費は、他にもあると考えられますので、今後の課題とはなりますが、行政マネジメントの再構築の取組みの中で検討してまいりたいと考えております。