2年ぶりの特別支援教育審議会

2年ぶりに特別支援教育審議会が開かれました。

 

「審議事項の現状及び進捗状況と今後の課題について」

ということで7点について審議されました。

 

7点の視点は以下の

「西宮教育における特別支援教育のあり方」

にまとめられています。

https://www.nishi.or.jp/shisei/seisaku/kosodate/tokubetsushien.files/houkoku.pdf

 

平成31年3月に出されたこの報告書の提言に基づいて

現状進捗と課題について出されていました。

 

1つ目の

「幼稚園における基礎的環境整備」

委員の皆さんからは、

幼稚園教諭を未来センターに常時2人派遣している研修体制については、充実していると現状の取り組みに関して評価いただいていましたが、その研修成果を他園などに教育相談などで発揮できるのか?公立幼稚園が専門性を持った職員の配置をしている園をセンター的機能を果たす役割ができるようになっているのか?ということが課題になっていました。

 

2つ目の

「小中学校における基礎的環境整備」

通常級や支援級それぞれに課題は山積している状態ではあります。

まずは人の配置の問題や柔軟で円滑な対応がしづらい点、重度重複障害の児童生徒への支援体制などより高度な専門性が求められるような場面での対応が必要になっています。

また、そういったすべてに共通する個別の指導計画、教育支援計画など次年度への引継ぎや小中連携の中での引継ぎに課題があるように感じました。

委員の方からは、

気になるようなこと(困るようなこと)があれば、分離させようという流れがある。「いろんな子がいるよね」という多様性を認められない集団の中で、時間をかけて子どもが変化するのを待つということができなくなっている。

という指摘もありました。

また、保護者の意識が変わってきており、特別支援学校や学級が人気で少しでも多くの支援を求めるような動きもあるということも話されていました。

 

3つ目は

「西宮養護学校の通学及び校内支援体制」

重度重複障害、医療的ケア児の増加による専門職の人員体制の確保。他市で実施されている教員による医療的ケア(3号研修によるたん吸引などの実施について)ここでは、3号研修についての思いが支援学校よりお話がありました。

 

文科省の考え方は以下を参考に…

www.mext.go.jp

 

今までであれば、西宮市では教員による医療的ケアに関しては実施しないということを明言してきた経緯があります。(私も明石の事例などを参考に意見交換をさせていただいたことがあります)ただ、目の前にいる子どもが苦しんでいる状態ですぐに助けてあげることができない状況は子どもと教員の信頼関係の構築に支障が出る場合もあり、また、地域防災という視点でとらえた時にケアができる人が地域の中に多くいるという環境を整えることも重要だと感じている。看護師配置の拡充と教員ができることで安心が増えるという事実はあるとしながらも、対象児童生徒が増えればその都度研修に行く必要性がありその際の穴埋めや命を預かるという緊張感など教員、学校の負担なども考える必要があるということでした。

 

4つ目は

「教職員の専門性の向上」

特別支援学校免許状保有率を上げることで通級指導や専門性の多様化などが求められているが、ただあれば良いというわけではない。

校種間連携の情報共有や引き継ぎを一人の子どもに対して行うことで

一人一人の生徒のライフスパンを連続性を持って考えることができる。

それは、小学校に上がるまでに、中学校に上がるまでにと、「これができるようになっていましょう」や「進学した時に困らないように、苦労しないようにできることを増やしておきたい」など…だけれども、今難しくてもその子の将来を見据えた時に学校生活を円滑に(学校に適応するために)過ごすために何をするか?は、子どもにストレスを与えるばかりになってしまう。

そのようなことがないように。と委員さんたちから意見が出ていました。

 

5つ目は

「交流及び共同学習の推進」

個別の指導計画や教育支援計画などの様式などは整っているが、これをPDCAサイクルにより取り組みを効果的にするという課題が残されている。

 

6つ目は

「医療・福祉との連携」

みやっこ会議(西宮市自立支援協議会)における情報共有だけでなくさらにどのようなことができるのか考えていく必要があるとの意見が出されていました。

 

7つ目は

GIGAスクール構想について…これは提言にまとめられていない項目になるのですが、今後の課題として、補助道具として子どもたちが積極的に活用できるように様々な活用法を進めることができるようにと意見が出されていました。

 

以上、簡単ですが2時間の審議内容の個人的トピックスです。

(審議会も時間がタイトで後半は少し早足で進んでいました)

 

聴きながら、特別支援教育の話ではなく学校教育そのものに関わる全ての児童生徒へのまなざしがここに凝縮していると感じました。

特別支援ではなく、共に学び合える環境整備についてさらに考えていかなかればと感じています。